(千葉大学・井戸栄治教授との共同研究)
✔︎RT-LAMP法を用いた蚊媒介性ウイルスの新規迅速検出法の開発
近年、デング、チクングニア、ジカウイルス等のアルボウイルス感染症が世界中で猛威を
振るっています。これらの感染症制御には、流行地の特定およびウイルスの流行型の判別が
重要だと考えています。
本研究では、RT-LAMP法を用いて、流行地域においても利用可能な簡便で感度・精度の
良い検査法の開発を目指しています。
✔︎国内・国外における蚊媒介性ウイルスの疫学調査
アルボウイルス感染症は媒介する蚊(ヒトスジシマカやネッタイシマカなど)の体内で
ウイルスが増殖し、その蚊がヒトを吸血する際にヒトに感染します。
本研究では、媒介蚊の国内(京都市内ほか)および国外(これまで未調査地域であったコンゴ盆地など)分布状況の把握とそのウイルス保有率を調査し、流行地の特定およびウイルスの流行型の判別を分子疫学的に解明することを目指しています。
✔︎蚊媒介性ウイルスの感染に影響する共生細菌についての検討
本研究では、上記の疫学調査で採取した蚊の体内における、アルボウイルスの感染を抑制
する共生細菌(Wolbachia)の保有状況の調査を行い、他の流行地域に分布する蚊に共生する
Wolbachiaとの遺伝子レベルでの比較およびアルボウイルス感染抑制能について検討してい
ます。